二次創作 GE
- 斎藤斎
- 2015年5月3日
- 読了時間: 3分
数日振りになります、斎藤斎です。
私事ではありますが、ここ2日程、私と朔とで友人の家に遊びに行っておりました。その直前に朔と話したネタのようなものがありまして、帰宅したら簡単に書いてみようと思っていたものを今回Dairyにて公開いたします。
とはいえ、これは以前の『フリーダムウォーズ』同様の二次創作です。もともとは『ゴッドイーター』(バンダイナムコゲームズより発売。こちらも主人公はキャラクタークリエイト可能)のゲームで作成したキャラクターを使用した創作になります。あらかじめご了承ください。
キャラクター
斎藤斎の作った主人公
鷹虎(たかとら)
女の子。この話のなかでは、10歳前の少女。
影虎(かげとら)
男の子。鷹虎とは双子。
朔の作った主人公
ジュリ
女の子。鷹虎、影虎と同い年。
シュリ
男の子。ジュリの弟。この話のなかでは、だたい5歳くらい。
以下本文
錆びたような色にくすんだ壁に、いまにも崩れ落ちそうな屋根を乗せた家が並んでいるのを遠目に見ながら、鷹虎は両膝をつくようにして草地の上に座る。少しかき分ければすぐにざらざらとした砂が顔を覗かせるここでも、彼女達は原っぱと呼んでいた。
広さとしては、鬼ごっこをするには少し狭い程度。外周を囲うのは腐りかけの木材を網状に組み合わせた塀で、足元にはシロツメクザや天人唐草の小さな青い花などが点々と咲いているばかりだ。彼女達の誰も、この他に草木の生い茂る広場を見たことはなかった。
鷹虎が腰を下ろしたのは、シロツメクサが群生している広場の中程で、ジュリがせっせと花の茎を編んでいる隣である。たかちゃん、と、優しい声で呼ばれたのだ。
木の塀の外側、家の密集している間を通る狭い道では、少年達が駆け回っているようだった。姿はほとんど見えないが、甲高い声がキャッキャッと騒いでは、賑やかな足音が聞こえる。影虎はシュリを連れてあの子供達と遊んでいるところだった。
高虎は彼らの声を聞くともなしに聞きながら、膝を折り畳んで座るジュリの手元を覗き見る。白い花のわっかがあった。いくつも連なった花弁の細かいのの隙間から、鮮やかな緑色の茎が覗いていて、白い輪郭をはっきりと浮き上がらせている。
はい、と、ジュリが花のわっかを鷹虎の頭に乗せた。
「シロツメクサの花冠。たかちゃんにあげる」
「いいの?」
「いいよ。そのために作ったの」
ジュリがゆっくりとうなずくのをじっと見つめて、鷹虎が満面の笑みを浮かべる。白い色のいい肌をほんのりと染めて、血色のいい口はぱっと開いた。
「ありがとう! ジュリちゃん、私、大切にするね!」
言うやいなや、彼女はジュリに勢いよく抱き付いた。それを受け止めるジュリは、ぽんぽんと、ポンチョを着た鷹虎の背中を撫で遣る。鷹虎は、よりいっそう、ジュリを抱きしめる腕の力を強くした。
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